3Dプリンター用PLAフィラメントの特徴と他素材との比較
2025年01月08日
環境にも優しい3Dプリンター用PLAフィラメントの特徴をご紹介
3Dプリンター用のフィラメントは、素材によって様々な特性を持っています。その中でも、PLAフィラメントは環境にも優しく扱いやすい素材として知られています。こちらでは、PLAフィラメントの特徴と他の素材との比較を紹介しておりますので、素材選びの参考にご一読ください。
PLAフィラメントの特徴
3Dプリンターでの造形に使用されるPLAフィラメントは、環境に優しく扱いやすい素材として広く知られています。
PLAフィラメントとは何か
PLAフィラメントは、3Dプリンターで使用される代表的な材料の一つです。PLAは「Polylactic Acid(ポリ乳酸)」の略称で、トウモロコシやサトウキビなどの植物由来の原料から作られる生分解性プラスチックです。
PLAフィラメントの特徴
PLAフィラメントは、プロトタイピングや模型製作、装飾品、教育用教材など、幅広い用途で活用されています。環境への配慮と使いやすさから、3Dプリンター用材料として人気が高まっています。
カラーバリエーションが豊富
PLAフィラメントの魅力の一つに、豊富なカラーバリエーションがあります。標準的な色から鮮やかな色まで、様々な色が揃っているため、用途に合わせて選択できます。
また、透明や半透明のPLAフィラメントも人気があり、ガラス細工のような仕上がりを実現できます。
さらに、特殊なPLAフィラメントも登場しています。
- 木目調:木材の質感を再現
- マーブル調:大理石のような模様を表現
- グラデーション:1本のフィラメントで色が徐々に変化
このような多彩な色や質感のバリエーションにより、PLAフィラメントは様々な場面で重宝されます。
- アートプロジェクト:色彩豊かな作品制作
- プロトタイプ:製品イメージの視覚化
- 教育現場:色分けによる部品識別
- ホビー:フィギュアや模型の彩色
カラーバリエーションが豊富なため、1台の3Dプリンターでも多様な表現が可能になります。これにより、クリエイティブな制作活動の幅が大きく広がります。
CO2排出量の削減
PLAは植物由来のため、原料の成長過程でCO2を吸収します。これにより、製造から廃棃までのライフサイクルでのCO2排出量が抑えられます。
廃棄時の環境負荷軽減
PLAフィラメントの大きな特徴の一つが、生分解性を持つことです。これは環境への配慮という観点から非常に重要な性質です。
生分解性とは、微生物によって分解される性質のことを指します。
- 自然環境下で2〜3年程度で分解
- 工業用コンポスト設備では数ヶ月で分解
- 分解後は水と二酸化炭素に還元
この性質により、PLAで作られた製品は使用後に環境中に放出されても、長期的な環境汚染を引き起こしにくいのです。
再生可能資源の活用
石油由来のプラスチックと異なり、PLAは再生可能な植物資源から作られます。これにより、限りある化石燃料への依存度を下げることができます。
一方で、PLAの生産には農地や水資源が必要となるため、食料生産との競合や水資源の利用について配慮が必要です。また、適切に分解されるためには専用の施設が必要となる点も課題です。
PLAフィラメントは、その特性と環境への影響から、持続可能な3Dプリンティング材料として期待されています。ただし、使用後の適切な処理や、生産時の環境への配慮も重要となります。
短所
PLAフィラメントの最大の短所は、その耐熱性の低さです。一般的なPLAの熱変形温度は約60℃前後であり、夏場の車内や直射日光の当たる場所に置くと変形してしまう可能性があります。この特性は、屋外での使用や熱を伴う環境での利用を制限します。
PLAフィラメントの主な特徴と他素材との比較
PLAフィラメントは、3Dプリンターで最も人気の高い素材の一つです。その主な特徴として、以下の4点が挙げられます。
造形のしやすさと安定性
PLAフィラメントは、3Dプリンターにおいて最も扱いやすい素材の一つとして知られています。その理由は、以下の特徴にあります。
低温での造形が可能
PLAは比較的低い温度で溶融するため、プリンターへの負荷が少なく、安定した造形が可能です。
反りが少ない
ABSなどと比べて熱収縮が小さいため、造形物の反りや歪みが生じにくいです。これにより、大きな造形物も比較的安定して製作できます。
接着性が良好
プリンターのベッドへの接着性が高く、造形中の剥がれが起こりにくいです。これにより、造形の失敗リスクが低減されます。
他素材との比較表
PLAフィラメントは、他の3Dプリンター用素材と比較して独自の特性を持っています。
ABSとの比較
PLAはABSに比べて以下の特徴があります。
- 造形の際の収縮が少なく、反りにくい
- 臭いが少なく、有害ガスの発生も抑えられる
- 環境にやさしい生分解性プラスチック
一方、ABSはPLAより耐熱性や耐衝撃性に優れています。
PETGとの比較
PETGはPLAとABSの中間的な特性を持ちます。
- PLAより耐熱性、耐衝撃性が高い
- ABSほど造形時の臭いは強くない
- PLAほど環境負荷は低くないが、リサイクル可能
TPUとの比較
TPUは柔軟性に優れた素材で、PLAとは大きく異なる特性を持ちます。
- 高い柔軟性と弾力性を持つ
- 耐摩耗性、耐油性に優れる
- PLAより造形が難しく、特殊な設定が必要
比較表
特性 | PLA | ABS | PETG | TPU |
---|---|---|---|---|
造形のしやすさ | ◎ | △ | ○ | △ |
耐熱性 | △ | ○ | ○ | △ |
柔軟性 | × | △ | △ | ◎ |
環境負荷 | ◎ | △ | ○ | △ |
このように、PLAは造形のしやすさと環境への配慮の面で他の素材より優れていますが、用途に応じて適切な素材を選択することが重要です。
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